老人ホーム相談プラザ｜老人ホーム取材レポート 介護付有料老人ホーム「サンスーシ大和田」（誠愛苑）

介護付有料老人ホーム「サンスーシ大和田」（誠愛苑）

さいたま市見沼区にある「サンスーシ大和田」を取材。

今回の老人ホーム取材レポートは、介護付有料老人ホーム「サンスーシ大和田」です。

「サンスーシ大和田」は、以前に紹介した「アドニスプラザ大宮」とともに、「東京建物グループの誠愛苑」が運営している施設です。スタッフによるサービスなどのソフト面では、地元で長らく愛され信頼されてきた誠愛苑らしい充実した内容。ソフトもハードも充実したいま一番注目のグループであることは以前の記事でも述べましたが、「アドニスプラザ大宮」が主に自立している人向けの住宅型老人ホームであるのに対し、「サンスーシ大和田」は介護が必要な人のための介護付老人ホーム。まあ、ごく普通の一般的な老人ホームです。

では、早速みていきましょう。立地は、東武アーバンパークライン（野田線）の「大和田駅」から徒歩７分。クルマだったので駅からの距離感はわかりませんが、徒歩７分なら便利といっていいでしょう。近くにはスーパーやドラックストアがありますし、医療機関や銀行、郵便局などの生活利便施設も揃っています。なにより、広大で緑豊かな「大和田公園」が近いのがいいですね。さらに足を伸ばせば、地元住民の憩いの場「市民の森・見晴公園」や、小動物もいる「大宮公園」もあって、外出するには大変よい環境です。

そんな公園に囲まれた場所でありながら、最寄りの「大和田駅」は、ターミナル・ステーション「大宮駅」まで直通でわずかに約６分。利便性と豊かな自然が調和した、とても暮らしやすい環境に「サンスーシ大和田」は位置しています。

食堂室兼多目的ルームの大きな窓で自然を感じる

ご家族の顔を見れば施設の雰囲気もわかる

建物の外観は、一見、老人ホームとはわかりません。最近の老人ホームはどこもそういう傾向がありますが、ここはとくに老人ホームっぽさがなく、普通のマンションのようです。なので近くに住んでいる人でも、ここが老人ホームであることを知らなかった、という方が意外にいらっしゃるとのことで、最近屋上の壁に名前を貼ったそうです。
入口のすぐ横に福祉車両専用の駐車場があって、ちょうど車椅子の方の送迎をやっていました。車椅子ごと電動でリフトアップするタイプですが、建物から出てすぐのところでクルマに乗れるというのは大変便利ですね。付き添われている方もうれしそうに見守っておられました。後で聞いたら、付き添いの方はお嫁さん、つまり義理の娘だそうです。う～ん、いい関係のようで入居者の方は幸せそうです。こういうちょっとしたことからも、ホーム内のいい雰囲気が伺えます。

いま気がついたんですが、これ、建物の入口が交通量の多い通りに面していないからできるんですよね。車寄せがラクなのは、住宅街の中に建つ施設の特長の一つといえるでしょう。クルマで送迎されるご家族の方には重要なポイントですよ。

中に入ると、すぐ左に広～い食堂兼多目的ホールがあります。なんといっても、開放感がすばらしい。庭に面したほぼ全面がガラス戸になっていて、陽光が燦々と注ぎ、丹念に手入れされた庭園を眺めながら食事やアクティビティを楽しめます。先ほど、「サンスーシ大和田」はごく普通の一般的な老人ホームなどと言いましたが、やっぱり、実際に見てみると違うもんですねえ。失礼致しました。とにかく明るい。開放感がある。この明るさは開放感は他ではなかなかみられないでしょう。
さらに、２階から４階までは各フロアごとに、これも広めの明るい談話室、もちろん各フロアごとにスタッフルーム。各階共通の間取りで、設計段階からゆとりと開放感を考えてつくられたことが伺えます。

プライバシーと収納と安全に配慮した居室は全５３室（全個室制）。一番多い部屋のタイプは広さ１８．２６ｍ。介護用ベット、テーブル、椅子、ローチェスト。カーテン、レース、エアコン、照明は完備していますが、お好きな家具の持ち込みも可能です。車椅子での移動がしやすいゆとりと、収納の多さとの相反する条件を両立させた、快適な居室となっています。

本人やご家族の顔が施設選びのポイント

残した食事からも、入居者の方と向き合う

入浴は、歩行や立位を保つのが困難な方のために寝台浴を用意。誠愛苑の熟練したスタッフによる安心・安全な機械浴で、入浴ケアも万全です。また、歩行が可能な方には、スロープ付きの大浴場もあります。「アドニスプラザ大宮」もそうですが、入浴にこだわっているのも誠愛苑の施設のいいところ。風呂好きの方はぜひご注目ください。私ことお探し介護ライターもたいそうな風呂好き、温泉好きですので、個人的には大変好感が持てます。

気になる食事はどうかというと、これも「アドニスプラザ大宮」と同様、施設内で手作りしていますから、栄養バランスに配慮したきめ細かな対応が可能。きざみ食やミキサー食はもちろん、個々の好き嫌いにも応じた健康食を提供しています。また、四季折々に行事に合わせたイベント食も、日々の暮らしの中にアクセントをつけてくれます。お正月のおせちなどは他の老人ホームでも同じかもしれませんが、餅つき大会や夏祭り、秋祭りといった個々のイベントでも、そのイベントに合わせた食事を提供できるのは、自前でつくっているからできること。ここもポイントです。そのお味のほうは、今回は試食できませんでしたが、「アドニスプラザ大宮」の食事の美味しさを思い浮かべれば、それと同レベルなのですから、まず間違いはないでしょう。もし次の機会があれば、今度はしっかり試食してレポートしたいと思います。

健康サービスでは、協力医療機関との連携により、定期訪問診療に加え、専門医による往診も受けられます。24時間オンコール体制で夜間の臨時往診や緊急時の対応も行う他、週１回の歯科クリニックの訪問診療、外来受診手続き、通院支援など、数々の医療支援サービスを用意。また、音楽療法、機能回復訓練、健康維持体操などの健康維持のサービスは、誠愛苑が運営する３施設で共通のプログラムもあって、他の老人ホームよりも充実しています。これも数あるポイントの一つに数えられます。
その他、通院支援・買物代行といった生活支援サービスも充実。年間行事や日帰りの小旅行などを通じて、入居者同士の交流を深める活動も多々行われていますので、きっと退屈しているヒマはないでしょう。老人ホームというよりは、シニアライフを楽しむための施設、それが「サンスーシ大和田」です。

最後に、見学を終えて帰ろうとしたとき、ある御婦人が花束を抱えてやって来られまして、職員にその花束を渡して、すぐ帰られました。なんだろうと思って聞いたら、ご近所の方が、自宅の庭で咲いた花を、「飾ってください」と持ってきてくださったそうです。ああ、この施設は地域の人々に愛されているんだなあ、と、少しほのぼのとした気持ちになって、「サンスーシ大和田」を後にしたお探し介護ライターでした。

施設職員でつくっているからこそ、顔が見える厨房