老人ホーム相談プラザ｜老人ホーム取材レポート 【介護食最前線】帝京大学、銀座ラ・トゥール、浅田飴の糖質...

【介護食最前線】帝京大学、銀座ラ・トゥール、浅田飴の糖質制限共同プロジェクトを取材

プロが教える家庭で出来る糖質制限フランス料理の講習会

糖質制限料理について帝京大学、銀座ラ・トゥール、浅田飴という異色のチームが何か企んでいるという噂を聞きつけ、お探し介護入居相談室の相談員が取材をしてきました。なぜ、介護施設についてのご相談やご紹介をしているお探し介護が「糖質制限料理」に関心を持っているかと言いますと、実は老人ホームなどの介護施設を探している方々に「インスリン注射」をしている方からのご相談も多く頂戴しているからです。お話を聞きますと、現在は食事制限しているものの昔はご自身で料理を作ったり、外食で美味しい食事を食べることが生きがいのひとつだったそうです。

インスリン注射をしている方の代表的な病気は糖尿病です。インスリンとは、すい臓から分泌される体内ホルモンの一つで、血糖値を下げる働きをするホルモンです。すなわち自分の力でインスリンを出せない場合は薬や注射によってインスリンを補う必要があり、この注射がインスリン注射です。

血糖値が高いと糖尿病のリスクが高まり、また糖尿病になり長く続くと合併症をおこし、目の病気や肝臓の病気、手足などの末梢神経の病気、それ以外にも様々な合併症がおきる可能性があります。そのために、糖尿病になると食事制限や運動療法、薬、注射などの治療が必要となってきます。肥満の方であれば、減量もあわせて必要となってきます。

この食事制限ですが実はこれがとても重要であり、且つとても大変なことのひとつです。
食事は、私たちが生活する中で欠かせない欲求のひとつで、この欲求を制限されると大きなストレスがかかってきます。この制限のひとつが糖質なのです。そもそも糖質とは砂糖と同じ“糖”という漢字が入っているので糖質＝甘いものとイメージされている方が多いかと思いますが、甘い糖質もありますが甘くない糖質もあります。甘い糖質の代表は砂糖ですね。甘くない糖質は「でんぷん」で、このでんぷんは私たちの食生活では欠かせない（欠かしたくない）米、パン、麺などに含まれています。

食事制限はとても負担が多く、だからこそ私たちも皆さんに糖質制限料理の“今”をお伝えしたいと考え、今回の取材に至りました。「これが糖質制限？」と目も舌も疑いたくなるような食事を食べさせていただきました。

糖尿病で食事をコントロールしている人だって、うまい料理が食べたい

「糖尿病になると、食べるものがない」などと言われますが、今やそんなことはありません。「低糖食」は、実はカロリー制限食と違って、糖質の高い食べ物以外はとくに制限はないため、糖質量を40ｇ以内に抑えるだけで、お腹一杯食べることができます。もちろんフランス料理でも問題ありませんし、低糖質のケーキもあります。

そんな中、5年連続「ミシュラン」の星を獲得した「ラ・トゥール」の清水忠明シェフが手がける低糖質のフレンチのコースメニューは、実際に自身のレストランのメニューに載るほどの本格フレンチ。「糖質を制限しているにも関わらずこんなにおいしいフレンチが食べられるのか」と評判を呼び、グルメでありながら糖尿病に苦しむ経営者たちの間で密かに話題となるほどです。

さらに、清水シェフはフレンチには欠かせないパンにも着目。ふすま等を使い決しておいしいとは言えなかった糖尿病者用とは違い、大豆を使ったおいしいパンを開発。量産化にも成功しています。

家庭で出来る糖質制限フランス料理

そんな中、「こんなフレンチ」を家庭でも食べたいという糖尿病患者からの要望に応えて、清水シェフが家庭用に考案したレシピをもとに講習会を実施しています。

清水シェフの構想に共感した帝京大学が後援するこの講習会は、清水シェフがつくるおいしくて美しいフレンチの作り方を、すでに糖尿病に苦しんでいる旦那様のためや、また予防のためにと意識の高い奥様方に向けたもの。講習は、本格フレンチでありながら、家庭用コンロで作ることができることが売りです。

　誤解してはいけないのが、低糖質料理といってもしっかりと甘みはあること。甘みは糖分ゼロの甘味料を使うことで得られます。清水シェフのおすすめは(株)浅田飴の『シュガーカットゼロ』。他社の甘味料は熱を加えると甘みが飛びがちです。シュガーカットゼロはしっかりと甘みが残るため調理しやすく、多くのプロの料理人やパティシエが使っているとのことです。

　できあがった料理はもちろん、皆で実食。ひと口食べるたびに講習者から感嘆の声があがります。糖尿病者は今までまず食べることが出来なかったデザートまであって、「これから夫との食事が楽しくなりそう」という声があがっていました。
また、この講習会は低糖質料理をつくるうえでの注意点に加え、フレンチの裏ワザもわかりやすく教えてくれるので、フレンチ料理講習としても十分楽しめるつくり。糖尿病もネガティブにとらえず、ポジティブに楽しむ姿勢が大切だと感じました。