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2015年01月30日

介護職員初任者研修の資格体験談/8日目 認知症について学ぶ一日

痴呆から認知症へ呼称が変更された背景

さて、今日の介護職員初任者研修のカリキュラムは、「認知症を取り巻く状況」「医学的側面からみた認知症の基礎と健康管理」「認知症に伴う変化と日常生活」「家族への支援」です。私も深く勉強したいカリキュラムのひとつです。

さて、近年では認知症という呼称や症状の認知度は上がってきたかと思いますが、私が老人ホームや高齢者施設を探している方々の相談を行っていると今でもご家族から「痴呆」という言葉を聞くことがあります。この痴呆という言葉がマイナスのイメージを持っていることや用語・名称から症状がわかりにくく、偏見などを解消するという目的から、厚生労働省が2004年に「痴呆に変わる用語に関する検討会」を行い、痴呆にかわる用語・呼称として認知症が用いられるようになりました。なぜ私がこのことを言うかと言いますと、やはり痴呆と言う言葉を出すご家族には、認知症を誤解している方もいらっしゃるのではないかと思います。だから、ご家族で認知症の方の介護をしている方には、ご苦労も本当に多いと思いますのでしっかり知識をつけることをお勧めしています。正しい知識がつくと、介護をしている家族の精神的な不安も少しは軽減できるのではないかと思います。

前置きが長くなりましたが、今日の先生は終日同じ方で横浜市鶴見区にある特別養護老人オームのフロアの統括責任者の方です。自己紹介で、5目目の先生の名言にもあった「この仕事は大変だけど、喜んでもらえるから続けらえる」ということを話していました。また介護の専門職として働くと「自分のイメージ、理想とする介護がいつか崩れるときがある」という話をしていました。また、それは介護職なら必ず直面する問題だから心配しないでください、という話をしてくれました。これまでの先生で共通していることのひとつが、「介護職員のケア」だなと感じています。介護職員初任者研修で習った「日本介護福祉士会倫理網領」の7にあった「後継者の育成」ですね。現場を知っているからこそ、これから介護職を目指す方(介護職員初任者研修を受講している方)に対して、精神的なケアをしているんだろうなと思いました。

■もの忘れと認知症との違い
もの忘れ・・・体験の一部を忘れること
認知症・・・体験の全体を忘れること

例)昨日の夕食について
もの忘れ・・・家で食べたのは覚えているけが、「あれ何食べた?」はもの忘れ
認知症・・・食べたことそのものを忘れてしまう

このような違いが代表的な「もの忘れと認知症との違い」の特徴のひとつです。またもの忘れは、もの忘れの頻度が高くなるだけで、認知症の場合は言語障害や日時や場所がわからなくなってくるという傾向があります。しかし、必ずしもそうとは言えず、個人差もありこれが初期発見の難しいところではないかと思います。ですので、家族で「最近様子がおかしいな?」と思ったら専門家に相談してみましょう。

前回(介護初任者研修の7日目)のレポートはこちら

認知症の種類。近年注目されているレビー小体型認知症

実は認知症というのは病名ではありません。
代表的な病名としては「アルツハイマー型認知症」「血管性認知症」「レビー小体型認知症」などがあります。それぞれ特徴があるのですが、細かいことは省きますが、昨今介護業界でよく耳にするのが「レビー小体型認知症」です。これは、脳全体にレビー小体といわれる物質がついておこります。またパーキンソン病に類似した歩行障害や体の固さが出るため本当はレビー小体型認知症なのに、パーキンソン病と誤診され適切な処置がされないというケースがあります。また、アルツハイマー型とは少しことなり幻視が現れることがあります。この幻視とは、実際にはないものが、あるように見えることで例えば「あそこに子供が立っている」「天井に虫がいる」など言うことがあります。これは、しっかりとレビー小体型認知症と診断され、幻視があることを家族が理解していれば良いのですが、知識がないと何だか介護をしている家族まで怖くなったり、心が不安定になってしまいますよね。だから、しっかりと知識をつけるまたは、「何か変だぞ」と感じて専門家に相談することが大切なのです。

考えさせられたグループワーク(認知症の方の視点)

今日のグループワークは深く考えさせられた内容なので紹介します。
グループワークでは、とある認知症の方をテーマに、介護職員(場面)と認知症本人のそれぞれの立場(視点)で比較されています。それをグループ内で読みあい、その感想と介護職としてやるべきことを話し合います。とても感心したテキストですので1/10程度ですが記載します。

≪介護職員の視点≫
特別養護老人ホームに半年前に入居したAさんに「おはようございます、Aさん」と話かける。朝食の時間だったので「Aさん、朝食を食べましょう」と話しかける。しかし、Aさんは「お金がないから食べられない」と言う。職員は「息子さんからお金はいただいているのでどうぞお召し上がりください」と伝える。

≪認知症本人(Aさん)の視点≫
Aさんは朝起きたら見慣れない部屋にいた。廊下に出ると知らない人に「おはようございます、Aさん」と言われ『なぜ、あの人は私の名前を知っているの』『ここはどこ?』『どうしてここにいる』と思った。ご飯に誘われたがお金がないことに気づき『お金がないから食べられないこと』を先ほどの人に話してみた。しかし、息子がお金を払ったと言われたが『息子はまだ中学生だから支払うことはできない』『何かおかしい』『いったいどうなっているんだ』と思った。

若干表現が違うかもしれませんが、、、これなかなか深いですね。グループワークで色々な意見が出ましたが、考えさせられる内容でした。こんな感じで介護職員初任者研修も資格を取得するだけではなく、学ぶこともたくさんあります。若干眠いこともありますが。

■名言
この仕事は自分を試させられる
A相談員の補足:介護職は専門職として自分の心を自分でマネージメントすることが重要

さて、明日(金曜日)も初任者研修だ。ちなみに介護職員初任者研修は「初任者研修」と略して読んでいる方も多くいらっしゃいます。なんせ長いので・・・。

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