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2015年02月19日

介護職員初任者研修の資格体験談/16日目 介護職として死について知識をつけ考える

死にゆく人に関した心とからだのしくみ

「ありがとう、いっぱいありがとう。お父さんが心配だから、頼むね。」これは私A相談員の母が残した言葉です。私の母は母が58歳のときに卵巣癌で亡くなりました。風邪をひいたこともないような元気な母でしたが、私が仕事中に父からの電話で「母さん、癌になった」と聞いてから、3年間母と共に闘い、「桜が咲くまで生きていられるかな」と言っていた母は、桜の花が散り始めたころ多くの方々に支えられて安らかに亡くなりました。また、私が大学で出会い、私の人生に大きな刺激と影響を与えてくれた親友は「筋ジストロフィ」という病気で30歳の若さで亡くなりました。旅仲間で視覚障害(全盲)を持っている仲間は20代にして自らの選択で命を絶ちました。これまでを振り返ると「死」について考えさせられることが多かったなと思います。

さて、長くなってしまいましたが、今日の初任者研修の授業は、「終末期介護」「入浴・清潔保持に関連した介護」です。今日で初任者研修のカリキュラム23日間の16日が終わり、進捗率は69%です。んー、早いようで、遅い。まだ30%も残っているのか・・・。風邪に気を付けないといけませんね。さて午前の先生は、横浜市南区にある特別養護老人オームの看護師の先生です。先生の特養は平均介護度が4.7で、ほとんどの方が5とのことです。介護度は、要支援1・2、要介護1~5があり、要介護度5とは「日常生活全般で全面的な介助が必要な状態。意思の伝達も困難となる状態も含む」です。ちなみに先生の特別養護老人ホームの待機者は約1,000名いらっしゃるそうです。

カリキュラムの途中で流されたDVD「像の背中 ~旅立つ日~」見たことありますか?良かったらハンカチ持って見てください。

前回(介護初任者研修の15日目)のレポートはこちら

どこで亡くなるか本人が選ぶ

先生が勤めている特別養護老人ホームは定員80名で年間に亡くなる人はおおよそ20名いらっしゃるそうです。ですので、単純に月で割っても、月1.6名が亡くなるということですね。だから介護職は、死にゆく人や家族に関した心と体の仕組みを理解することが大切なのです。先生の老人ホームでは終末期の過ごし方を病院または老人ホームなどからご本人に選んでいただくそうです。そして、老人ホームを選んでいただいた方には、職員が以下の基本方針をお伝えしているそうです。

「看取りに関する基本方針」(先生の特別養護老人ホーム)
・安らぎを感じられるよう室内の環境を整えます。
・孤独になることがないようにつとめます
・医師と相談の上過剰な治療は行いません
・水分やお茶を無理に勧めることなく嗜好にあったものを口にしていただけるように努めます
・苦痛がないように介助の方法を工夫します
・ご本人のご希望に沿った柔軟な対応をします
・全スタッフが一体となったお世話をします
看取りや介護はしてあげるものではなく、自分のためにすること。

■人間の死の定義と死の三徴候
終末期になると体も変化してきます。「食べる量が減る」「自分で食べられなくなる」「自分で歩けない」「寝返りができない」「1日中寝ている」「2~3日寝ている」などがあるそうです。高齢者は、食事をやめても3~7日程度生きることができます。食事をとれなく点滴をしている場合に、点滴の注射が入らないなどの理由で点滴をとめても同様のことが言えます。
ちなみに老衰で亡くなる場合に、痩せるのは食事を食べられないとエネルギーがないので脂肪をエネルギーにかえます。だから、身体の脂肪が減っていくことになります。逆に亡くなる直前まで点滴をしている方は栄養をしっかり入れている場合、普段に比べて肌色・艶がよいというケースもあります。また終末期は呼吸が低下することにより炭酸ガスが体にたまる為、その炭酸ガスが麻酔の作業があり、老衰での死は苦しみが少ないそうです。

●人間の死の定義
・生物学的な死
・法律的な死(脳死)
・臨床的な死
●死の三徴候
・心拍動の停止
・呼吸の停止
・瞳孔散大、体光反射の停止

どこで亡くなるか本人が選ぶ

入浴・清潔保持に関連した介護

入浴介助は、これまでの授業で学んだ移動移乗の技術をお風呂に応用したものとなります。ここでも大切なのは“声がけ”です。先生は「入浴介助で大切なことは目を離さないこと」とお話していました。またお風呂は様々な効果があり、先生の特別養護老人ホームではなかなか寝れない入居者の方をどうすれば寝れるようになるかスタッフで考え、通常日中に入るお風呂を夕食の後に変更したそうです。そうすると、その方はぐっすり寝ることができ、体調がとても良くなったそうです。これは2日目に習った、「( )→ 計画の立案 → ( )→ 評価」ですね。正解は、『(アセスメント)→ 計画の立案 →(支援の実施)→ 評価』です。受講生のみなさん、これはテストに出ますよ(わかりませんが、出そう)。

■名言
・(終末期での介護は)看取りは寄り添うことがもっとも大切なことのひとつ
・死に対しての予行練習はない。誰しもが最初で最後の体験。

先生の老人ホームでは入居者が亡くなると「湯灌(ゆかん):故人(遺体)を入浴させ洗顔、洗浄を施す」を施設内で行っているそうです。そして他の入居者もお線香をあげて、みんなでお見送りをしているそうです。そうすることにより他の入居者の方にも終末期を考えていただいたり、自分も同じように見送ってもらえるという安心感があるそうです。「終末期」の授業は深く考えさせられ、意義のある内容でした。個人的な意見としては、カリキュラムは3時間ではなく、もう少し時間をかけてもいいのではないかと思いました。

入浴・清潔保持に関連した介護

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