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2015年04月02日

【うわさの介護】ハンドケアが介護の現場ですごい効果を出している?! ≪後編≫

いよいよ、ハンドケア“すごい?!”に迫る。手の拘縮が・・・。

高齢になると手の拘縮(こうしゅく)がみられることがあります。拘縮とは関節可動域(間接の動く範囲)の障害で「関節性」「軟部組織性」「筋性」という分類があります。拘縮の原因としては病気などで関節を長期間動かさないことや関節の炎症などで起こる場合があります。

今回ハンドケアを受けた方の手の拘縮のイメージとしては手をグーにした状態で固まってしまっている(固定[不動]性拘縮)感じで、拘縮が強くなると自らの爪で手の平を傷つけてしまうこともあります。また痛みや血流の障害、拘縮によるエネルギー消費の増加など体全体に影響を与えることもあります。ですので、介護の現場において「拘縮」について考えさせられる方々も多いと思いますが、前編で登場した「横浜市浦舟ホーム」で「手浴」の担当となり、のちにハンドケアの担当となる鈴木さんの行動はとても素晴らしいことだと思います。普通の仕事でも頭では考えるけど、日々の仕事に追われ一歩踏み出すことに躊躇してしまうことがあるかと思いますが、この鈴木さんの第一歩が特別養護老人ホーム「横浜市浦舟ホーム」でハンドケアが強化された理由ではないのかと思います。

しかし、強化されるためには根拠が必要です。その根拠とは何か。

あっ、寝た。

さて、前置きが長くなってしまいましたが、いよいよ入居者の方々にハンドケアがおこなわれます。ハンドケアは1人約20分で、片手10分程度のケアとなります。

始まって5分-。

「あっ、寝た。」

実際にハンドケアを受けている入居者の方が“寝る”という前情報はあったものの、見事に“寝ました”!それも一人ではありません。次々と寝る、寝る。マッサージをしてもらっていて“落ちる”という感覚わかりますか?気持ちよくて気づいたら寝てしまうという“落ちる”です。“寝る”というか“落ちる”に近い感覚でした。「横浜市浦舟ホーム」で取り組み始めてから約3年とのことで、入居者の方とハンドケアセラピストの方でも顔見知りになっている方もいる様子で、ハンドケアを理由(きっかけ)にしてスキンシップと会話を楽しんでいる様子でした。

■拘縮の方へのハンドケアも始まる。
始めは他の方と同じように会話を楽しんでいました。そして少しずつ会話も減り、マッサージで気持ちよさそうな顔に変わってきました。そして、ハンドセラピストの方の会話もリラックスできるようなゆっくりとした話で、カメラを向けている私まで睡魔がおそってきます。約20分のマッサージを終えると、これはハーブオイルの影響もあると思いますが、単純に白っぽい手から腕全体の血色が良くなり、摩擦で不自然に赤いというよりは、自然な色に戻ったという感覚でしょうか。また、驚いたことに表情が穏やかになっていたことです。私の「心がケアされたのかも」という感覚も満更外れていなかったのではないかと思います。そして気になる拘縮は、“グー”が“パー”には当然なりませんが、手の平が少し見えるようになっていました。拘縮ケアではマッサージが良いと言われていますが、ゆっくり、ゆっくり、会話を楽しみながらやることが重要だということに改めて気づかされました。「なるほど、“ハンドケアがすごい”の意味はこういうことだったのか」と実感しました。

ハンドケアの効果
◎表情が穏やかになる
◎手の拘縮緩和
◎食欲増進
◎安眠効果
◎コミュニケーション増加
◎保湿効果

あっ、寝た。

ハンドケアを受けた方々の感想とハンドケアの魅力とは

「横浜市浦舟ホーム」では、ハンドケアを入居者はもちろんのですが介護職員にも行っているそうです。そして、その方々に都度感想を書いていただいているそうですので、ご紹介します(原文のママ)。

【介護職員】
・すごく香りにも癒されて気持ちよかったです!眠たくなりました。
・この心地よさと安心感をお客様にも体感してもらいたいと思いました。
・催眠術にかかったように異常に眠くなりました。

【入居者】(職員が代筆)
・時々笑顔を見せられる。ご自身で手を嗅いでうなずかれる。
・手が広がるようになった「軽くなった」と仰る。
・左手(麻痺側)の手のひらがひろがる。手の色が赤くなり血色が良くなった。

佐佐木さんに聞いてみた―。

「ハンドケアの魅力って何ですか?」

「ハンドケアは、ケアしている側が実はケアされている」のが魅力です。
さすが、先生ですね。模範解答です。佐佐木さんは、病院でアロマセラピーに長年携わっていたそうです。そして、ハンドマッサージをしていたら大変喜ばれたようで(一社)日本ハンドケア協会の立ち上げに参画したそうです。ハンドケアは「いつでも、どこでも、誰でも」をコンセプトに服を脱がないで簡単にできるように工夫し、現在は3,000名の資格取得者がいるそうです。講座には医療関係者や福祉関係者のほかにも一般の方々の受講も多いそうです。今後の展望は「家族とのコミュニケーション」として役立つようなハンドケアにしたいそうです。

結論、「ハンドケアがどれだけ“すごいか”“本当に寝るのか?!”」は、手の拘縮緩和や表情が豊かになる、安眠効果など様々な効果がありました。また、“本当に寝ました”。ハンドをケアするだけがハンドケアではないのかもしれない、と私は感じました。

■取材協力
(一社)日本ハンドケア協会 http://handcare.or.jp/index.html
(一社)日本フィトセラピー協会 http://www.japhy.or.jp/
ソフィアフィトセラピーカレッジ http://www.sophia-college.jp/
横浜市浦舟ホーム http://www.hama-wel.or.jp/jigyousyo/urafunehome.html

ハンドケアを受けた方々の感想とハンドケアの魅力とは

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