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2023年12月06日

音楽であふれる「アンコール葉山」

「アンコール葉山」は、1階に小規模多機能型居宅介護があり、2階・3階がサービス付き高齢者向け住宅となっています。
地域の方たちも利用できる機能を備えていて、住み慣れた地域で安心して暮らしていける工夫が凝らさているのです。
元気で楽しい生活のサポートをし、「福祉を総合芸術とする」ことを取組んでいるホームです。
「アンコール葉山」の周辺は閑静な住宅街ですが、どの居室からも緑を眺めることができ、森戸海岸へも徒歩約12分で行けます。
今回お話を伺ったのは、代表取締役の相川かをりさんと管理本部長の井上義孝さんです。

写真

アンコール葉山の成り立ち

このホームの始まりを教えてください。

井上さん:オープンして10年が経ちました。
葉山では初のサービス付き高齢者向け住宅、小規模多機能型居宅介護になります。
開所するにあたり行政的には、個人経営の会社であったり、介護事業をしてきていないことから、採算が上手く取れないのではと、懸念されていたのです。

そうだったのですね。

相川さん:元々、戦後まもなく父がこの地でスカーフの染め物工場を営んでいたのです。やがて、バブルの崩壊や父の他界などがあり、工場をたたむことになってしまいました。
ですが残された書類の中から、ここを住宅にしたいという考えがあったことを知ったのです。
どのような住宅が良いのか数年間温めていたのですが、高齢者のための住宅をつくろうと思い至った時に、介護のことなど知識がなかったので、職業技術校に通いヘルパーの資格を取り、訪問介護などで働いて色々なことを身に付けました。いざ、高齢者の住宅が具体化しようとした時に、国が、サービス付き高齢者向け住宅のシステムを始め、同時期、葉山町で、小規模多機能型居宅介護の公募も重なり、併設という形で運営を始めたのです。


全くのゼロからの始まりだったのですね。

相川さん:高齢者の住宅はどのような形が良いのかを突き詰めて考えた時に、「老人ホーム」は響きが嫌だなと思い、いわゆる施設ではなく、健康に生活できて、縛りがなく快適に住める住宅が良いと思ったのです。
また、大手ができないような、自分がやりたいことを実現する住宅に仕上げていきたいと願ったのです。

井上さん:ここには相川の実家や工場が4棟あったのですが、それらを撤去して、3階建ての高齢者住宅を建てたのです。
家庭的な温かみがあり、融通が利いて、スローライフを楽しめる住宅になっています。

アンコール食堂
アンコール食堂

アンコール葉山のコンセプトについて

アンコール葉山の名前の由来について教えてください。

相川さん:「あ」は電話帳や一覧表でも一番最初に出てきますので、「あ」で始まる言葉を探していました。そこで私の想いと「アンコール」という言葉がフィットしたのです。
ここを利用した方が、「また来たい」とアンコールいただけるようになりたいとの希望を込めたのです。そして、利用された方たちのお子様世代の方たちにもアンコールいただけるようになれたらと願っています。
英語表記にしますとencoreと綴りますので、enは「縁」「円」「演」という響きにもつながりますし、coreはイタリア語で「心」の意味がありますので、「縁」「円」「演」「心」を大切にするという思いを込めています。

ここのコンセプトも教えてください。

井上さん:「福祉を総合芸術とする~人格と技術が一体となった最高のおもてなしを提供する~」とかかげています。
福祉に携わる者は、利用者様のお気持ちを汲んでいく感性を持たないといけないと思うのです。
単にお世話をする仕事ではなく、豊かな五感を活かし、能動的なお手伝いをすることを「総合芸術」という言葉で表現したのです。
「介護はきつい仕事」というイメージを払拭したいですし、誇りを持って仕事をしてもらいたいです。
綺麗な環境を整え、清々しく働いて欲しいと願っています。

とても地域に根付いていると伺いましたが、いかがですか?

相川さん:私は葉山で生まれ育ちましたが、地域密着型のコミュニティをつくっていきたいと思ってやってきました。
利用者様も隣近所から移り住んで来られた方もおられますし、同じ町内で暮らしてきた方もおられます。
通いで利用されている方たちも、顔見知りだったりします。
レクリエーションの講師として、近隣の方たちにサポートしてもらっていることも度々あります。

井上さん:コロナ前の話ではありますが、レンタルルームとして外部にも開放している音楽室がありまして、防音になっているので、楽器の練習や合唱の練習に利用してもらってきました。
和室では体操の練習もされたり、レストランで謝恩会やピアノの発表会などにも利用してもらってきました。
町内会のイベントや餅つき、ラジオ体操の場としても地域に開放してやってきたのです。

音楽室
音楽室

音楽にあふれるアンコール葉山

音楽の取り組みが多いというイメージがありますが、いかがですか?

井上さん:相川が東京音楽大学の声楽専攻を卒業していて、中学校で音楽教諭をしていたのです。
ここにはグランドピアノが3台ありまして、毎週火曜日には歌の会が催されていますが、10年間続けてきました。

相川さん:コロナで外部からの参加は制限しましたが、もうかれこれ500回以上やってきましたね。
地域の方たちにも開放してきましたから、お稽古のように来て下さる方もいますし、遠くは長野からわざわざ来られる方もおられるのです。

500回も続けるって凄いですね。

井上さん:利用者様も楽しみにされていて、この時間には皆様いそいそと集まって来られます。
元気な方ばかりでなく、介護度が高い方も身体でリズムを取られたりして、身体全体で楽しんでおられます。
会話ができないような方でも、声を出すことで色々発散できるようです。脳にも良い刺激を与えていますね。
ご家族も楽器を奏でる方がおられて、ピアノ・ウクレレ・ビオラなど演奏されることがあります。自然と音楽好きの方たちが集まって来られるのですよね。

楽しそうですね。

相川さん:利用者様皆様でステージ発表もするのですよ。
よこすか芸術場にはオープンデイという日があり、舞台を開放しているので利用させてもらいました。
葉山町の福祉文化会館でも行いましたね。
ご家族も一緒にステージに立っていただいたり、観客として参加していただいたり。
手話付きの歌も披露することがあります。近所に手話を教えてくださる方がいて、9曲ほどレパートリーがあるのです。認知症の方も結構覚えておられます。
それから、外部から演奏家を呼んで「アンコール食堂」でコンサートをすることもあります。

井上さん:館内にはいつもBGMが流れていて、免疫力向上にもつながっていますし、毎週土曜日はカラオケの日になっています。

管理本部長 井上義孝さん
管理本部長 井上義孝さん

アンコール葉山の魅力について

音楽の他にもどのようなアクティビティがありますか?

井上さん:このことも10年間続けていますが、「練功」という太極拳に似た体操を毎日10時30分から30分間行っています。
これも近所の方で教えてくださる方がいて、毎週月曜に来られています。
そして、雨の日以外は毎日屋上まで上がり、外気浴をしてもらっています。可能な方は階段で上がっていただいているのですよ。
月曜日と木曜日は看護師が来るのですが、看護師によるリハビリ体操を行い、その日以外は転倒骨折予防体操を行っています。
毎日、何かしらのアクティビティがあります。相川は書道の師範でもあるので、月に一回書道の日ももうけています。
それから、敷地内には小さいですが畑もあり、土いじりもしてもらっています。ピーマン・トマト・ししとう・オリーブ・しそ・そばの実など収穫物は食事に出して味わってもらっています。

食事についても教えてください。

相川さん:私は再び職業技術校に通い、給食調理を学びました。そのことにより、厨房の基礎的なことは理解できるので、スタッフにも指示が出せます。
業者が仕入れをするとあたりはずれがあるので、食材も私が買い出しに行きます。マーガリンなどは当然使いませんし、鰹節で出汁を取ってお出ししています。
ここのシェフは主婦が行っているので、家庭的で優しい味付けになっていますね。
予算度外視で、特別食も出しています。ウナギや刺身、おせちなどもお出ししているのです。
ここに入居して、食事が良いので、2週間くらいで元気を取り戻したという方が何人もおられます。

ここの立地面でのウリについて教えてください。

井上さん:葉山という土地柄そのものにブランドがあります。
森戸海岸まで徒歩12分という立地で、閑静な住宅街ですし、都会の喧騒から離れ自然に癒されます。
リスが走っていたり、アオサギやウグイスが飛んでいるのを目にすることができます。
そして、意外と交通の便がよく、バスも頻繁に便があります。逗子駅から横浜までは30分で着きますし、羽田や新宿にも直通で行けるのです。
葉山はおしゃれで素敵な方たちが住んでいますし、のんびりリラックスできる環境です。

ここのソフト面でのウリについて教えてください。

相川さん:やはり大手と違う点は、責任者が変わらないということです。これは大きな安心材料だと思います。
他施設から移って来られる方のご家族から、スタッフや管理者が頻繁に変わるから、安心して親を任せられないという話しを伺ったりします。
ここは私が全身全霊全てかけてやっていますし、24時間対応しています。これは他社との大きな違いです。
退去されて他に移られたけれども、「やはりここが良かった」と戻って来られる方もおられます。
ここは皆様のご自宅として対応してきているので、評価されているのだと思っています。

代表取締役 相川かをりさん
代表取締役 相川かをりさん
 

取材後記:小規模ながら、盛り沢山の内容に、「へぇ」と何度も感心してしまいました。
取材を終えてバスを待ちながら、アンコール葉山に向かって、「アンコール」「アンコール」と小声で唱えながらスタンディングオベーションしたのでした。

施設情報

施設名 アンコール葉山
施設種別 サービス付き高齢者向け住宅
住所 神奈川県三浦郡葉山町長柄264
入居時費用 394,000~574,000円
月額費用 174,000~234,000円
アクセス JR横須賀線「逗子」駅より京浜急行バス乗車約5分、「長柄橋」停留所下車、徒歩約3分
京浜急行逗子線「逗子・葉山」駅より京浜急行バス約4分、「長柄橋」停留所下車、徒歩約3分
横浜横須賀道路「逗子」I.Cより車で10分
居室
エントランスロビー
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