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2023年09月19日

しっかりと地元に根差した「ケアライフ金井」

2021年4月より「ケアセンターつくしんぼ」が「ケアライフ金井」になり再スタートしました。
「理想の終の棲家=自分達が入りたい施設を自分達で作る」という理念でNPO法人を立ち上げて、地域住民参加により設立し願いを適えたホーム「ケアライフ金井」です。
「ケアライフ金井」は小田急小田原線「鶴川」駅から神奈川中央交通バスに乗り、「金井クラブ」で下車してすぐのところに立地しています。近くには「金井くすの木公園」や「金井榛名公園」など公園が多く、お散歩にも適していて、緑が多いところです。
今回インタビューに応じてくれたののは、施設長の鬼頭真人さん、介護支援専門員の中村悦子さん、看護師主任の飯田乃里江さん、介護主任の菅野辰也さんです。

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ケアライフ金井の大切にしていること。

ケアライフ金井のコンセプトやモットーなどをお聞かせください。

鬼頭さん:ケアライフはここ1棟しかありません。地元町田の方が、併設しているデイサービスやショートステイを利用されていますが、その方たちが入居されることも多くあります。
ですので地域に根差し、地域に愛される施設づくりを目指してきました。
地域のボランティアを呼んだりしながら、地元とのつながりを大事にしています。ご近所の方たちによるオカリナ演奏会やコーラス、フラダンスなどを行ってもらったり、新年には地元の神社の宮司さんに来てもらって、一年の無病息災をご祈祷してもらったりしています。

本当に地域に密着しているのですね。他にどんなことを心掛けておられますか?

鬼頭さん:時間や業務に追われるような施設にはしたくないと思っています。最低人員の配置ではなくプラス1~2名の余裕を持たせ、フリーのスタッフが現場にいるようにしています。
時間も心も余裕があるとスタッフに笑顔が出てきます。すると利用者様も笑顔になれます。笑顔が多い施設になるように心掛けているのです。
人員的な余裕があると、散歩やお庭に外出することができます。外気に触れるだけでも、利用者様の表情が明るくなりますよね。
また、認知症の症状が強く出てしまう方にもしっかり対応ができます。
異食行為や徘徊がある方にも、自由に歩いてもらうようにしているのです。人員が手薄だと、椅子になるべく座って動き回らないようにしたりしますが、それは拘束にあたります。
認知症ケアに対してはその心理も深く理解しないとなりませんから、スタッフにはしっかり学んでもらうよう心掛けています。

スタッフに余裕と笑顔があるのはよいですね。

中村さん:大手の老人ホームですと、しっかりルールができ上がっていますが、ここは決められた中で動くのではなく、皆で考えながら作りあげているのです。1年半前に経営陣が変わるということもありましたが、段々良い方向付けができてきています。
機械的ではなく、アットホームな施設運営になっていますね。
スタッフも穏やかな者が多く、利用者様お一人おひとりに合わせた柔軟な対応ができていると思います。

介護支援専門員 中村悦子さん
介護支援専門員 中村悦子さん

ケアライフ金井の魅力について

ここの施設のウリは何ですか?

鬼頭さん:おやつの時間の後に毎日必ずレクリエーションが行われていることです。日勤のスタッフが何らかのネタを考えてきて実施するのですが、利用者様もこの時間を楽しみにしていますよ。
この頃一番盛り上がったのはチーム対抗で行ったボーリング大会でした。得点もしっかり付けてやりましたが、負けたチームの方が「次の時まで練習するわ」と鼻息が荒かったですね。
他にも風船バレーや輪投げ大会は利用者様から人気が高いです。

中村さん:脳トレも盛り上がりますよ。そろばんができる世代ですので、計算問題を出すと誰が一番先に答えるか競い合われます。認知症の方も頑張って答えを出されるのです。また、難しい漢字ドリルも張り合われて活気があります。
それから、季節ごとの作品作りもしますね。今は夏祭りに向けての飾りつけを作成しています。

菅野さん:ここの利用者様はお元気な方も多く、感情表現豊かな方が多いので、コミュニケーションが取りやすいです。利用者様に楽しんでいただいてナンボだと思っていますので、もっともっとアクティビティは強化していきたいと考えています。

他にもありますか?

中村さん:お庭が広くて、花壇や菜園があります。お芋の収穫も利用者様にしてもらいますし、イチゴやキウイも栽培しているので、その成長を見に行ったり摘みに行ったりして、楽しんでいただいています。

飯田さん:私は病院から転職してきたのですが、外気に触れたり日光浴をしたり、病院ではないことが色々あっていいなと思っています。
リハビリに関しても、病院ではリハビリ室で行うものとなっていますが、ここでは、日常生活の中に取り入れて行っています。例えば、車いすの利用者様がトイレに移乗するという訓練も時間をかけて行っています。

お食事はいかがですか?

鬼頭さん:食事はここの厨房が作って出しています。お米も秋田県の農家と契約して、毎月玄米を産地直送してもらい、炊飯前に精米しているので、とても美味しいごはんが食べられます。

菅野さん:スタッフもここの食事を食べているのですが、とても美味しく、バリエーションも豊富なのです。新メニューもよく出してもらうので、利用者様に感想を伺って、厨房職員に伝えています。
多職種連携が取りやすいことも、ここのウリですね。

介護主任 菅野辰也さん
介護主任 菅野辰也さん

入居後のご家族からの反応

ご家族から喜ばれていることはどのようなことでしょうか?

中村さん:緊急な受診の際には看護師が同行するので、医師とのやり取りも私たちがするよりも理解が深く、ご家族に説明する際も詳しくできるので、ご家族からは重宝がられています。
加えて、往診医がいつも丁寧に話してくれるのですが、ご家族が不安に思われていることなどは、いつでも立ち会って説明をしてくれることも評価されています。

飯田さん:認知症の方の治療方針について、ご家族とも適宜相談しながら進めています。本人様のご状態を説明して、ご家族の意向を尊重しながら対応しているので、ご家族も信頼をおいてくれています。

ご家族も安心できますね。何か具体的なエピソードがありますか?

中村さん:1年前にお看取り前提で入居された方がおられました。寝たきりで顔色も悪く、往診医も「あと、2~3週間くらいかも…」と言われるようなご状態だったのです。
でも、できることはなんでもしようと、少しづつでも食事介助しました。食事時間でなくても、食べられそうな時は必ず介助していたのです。
そのうち体重も増え、意欲も回復されてきたのです。トイレで用を済ませたいとの希望もあり、二人介助で対応してきました。
そのような地道な取り組みを1年近く取り組んでいると、車いすに座れるようになり、なんと自走できるようになられたのです。
念のためにセンサーマットを設置していましたが、今ではご自分で安全にトイレにも行けるようになられたので、先日撤去しました。
ご本人の意欲と努力。そしてスタッフの「お元気になってもらいたい」という想いと連携力の結果でした。往診医も驚かれましたが、ご家族が本当に喜ばれ感謝されました。

看護師主任 飯田乃里江さん
看護師主任 飯田乃里江さん

ケアライフ金井で働くに至る道のり

ここに至るまでの半生を教えてください。

中村さん:自分や主人の両親が介護になった時にどうしたら良いのか、将来のために役立つのではと思って、ヘルパー2級の資格を取りました。
働くつもりはなかったのですが、勉強しているうちにやりがいを感じて、訪問介護を始めることになりました。以来23年間介護に携わっています。
高齢者ののんびりとした波長と合ったのかもしれません(笑)。また、昔のお話など伺うこともできてとても勉強になり、続けてこられたのだと思います。
体調を悪くして入居された方が、元気を取り戻し、前と同じように普通の生活ができるようになることを見られるのが嬉しいです。
人生の先輩方の生きる力を見て、「自分も頑張らないと」と叱咤激励され、学ばせられています。

菅野さんはいかがですか?

菅野さん:私は幼馴染の友人が介護職をしていて、勧められたのが始まりでした。
ヘルパー2級を取るために、実地研修に行ったのですが、一緒に行った人たちが「大変だ」「私、無理」という声をあげているのに、私はとても楽しかったのです。「この仕事、自分に向いているかも」と思った瞬間でした。
デイサービスから始め、同法人内の特養勤務になった時に、そこのリーダーに、ただ楽しいだけではなく、介護職の誇りを教えてもらいました。やがてリーダーを任せられている時に、鬼頭施設長から声かけられて、こちらに移ってきたのです。
私は毎日1回でも利用者様に笑っていただくことを使命に感じていますし、皆さんにニコニコ穏やかにお暮しいただくことが私の喜びです。

飯田さんはいかがですか?

飯田さん:私は姉も看護師で、医療を身近に感じていたことから看護学校に通いました。でも、病気に向き合うよりも、人の誕生に興味があり、助産師として働いていました。
人の生と死について考えさせられることが多くあり、関心を持っているのです。
病院で業務的に働き続けることが嫌になり、昨年からこちらで働いています。死を身近に感じながらケアすることが多いですが、学ばされることも多いです。
利用者様にはとても可愛がられて、楽しく働かせてもらっていることが有難いです。

鬼頭さんもお願いします。

鬼頭さん:私の祖父のことですが、厳格な人で不愛想だけれども優しい面を持つ人でした。祖父は認知症になり、私たちが訪ねても「誰だ!」と認識ができない状態になっていたので、グループホームに入居することになりました。
入居後3か月経つと、すっかり変わっていて、私たちをスタッフに紹介したり、今まで見たことのないような笑顔で話していたのです。
このような祖父の姿を引き出すスタッフの力はスゴイと痛く感動したのです。
そのことがきっかけで私も介護の道を志したのです。特養やサ高住、夜間の自宅訪問などもしましたが、現在はケアライフ金井で施設長をしています。
最近、一番感動したことをお話します。
ある利用者様がコロナになり、危うい状態になったので入院の手続きをしようとしたら、ご家族からお叱りを受けたのです。「私の父は病院ではなく、ここで最期を迎えてもらいたいのです。ここを信頼しているので、どんなことが起きても構わないので、ケアライフ金井にいさせてください」と言われたのです。
このような信頼を受けながら、仕事できることは、本当に有難く嬉しいことです。

今日は忙しい中、ありがとうございました。

 

取材後記:インタビューを終え、写真撮影をしましたが、皆さん、笑顔がとても素敵でした。こちらまで笑顔になりました。
「職員が笑顔だと、利用者様も笑顔になれる」との鬼頭施設長の言葉が本当にそうだなぁと実感させられました。

施設情報

施設名 ケアライフ金井
施設種別 介護付有料老人ホーム
住所 東京都町田市金井5-20-16
入居時費用 0円
月額費用 228,000円
アクセス 小田急線 「鶴川」駅 徒歩20分金井・榛名坂ヒルズ経由やくし台センター行に乗車し(約7分)「金井クラブ」下車バス停前
居室
食堂
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